HN logo
南無ちゃんのホームページ
(難波流楽・JH4ADK)
 2009年3月にREGIAUS ACE(以降ハイエースと呼ぶ)購入し、キャンピング車に改造しました。鮎釣りに行く回数が増えるに従って、どうしても欲しい道具の一つだったのです。
 キャンピング車を購入するという手もあったのですが、手作りできそうだったので挑戦してみました。リーマンショック直後で車の販売不振が言われていた頃だったので、販売店に多少無理をお願いして、ナンバープレート無しの状態で一旦我が家の車庫に持ってきてもらい、その後の2週間位の間にDIYで艤装を行い、ナンバープレートは最初から8ナンバーで登録してもらいました。
 コンセプトは「何処でも快適に過ごせる空間を」です。車の名前は「Que Sera Sera」と命名しました。

 目 次 

1.キャンピング車に改造する理由

2.キャンピング車の構造要件

3.製作中の様子

4.外観および装備の写真



1.キャンピング車に改造する理由

 キャンピング車に改造する主な理由は次の3つです。
  (1)横になって熟睡したい
  (2)キャンピング車だと高速道路の料金が安い
  (3)車検の度に改造を元に戻すのは面倒
 これらの理由について詳しく説明します。

(1)横になって熟睡したい
 アウトドア派の人なら年に何回も車で遠出することがあると思います。途中で仮眠する際に、シートを倒すだけだと後で腰が痛くなったりして疲れが溜まる一方です。
 また、私のように鮎釣りなどで田舎っぽい場所に遠征する場合、宿泊施設も限られていますし、一々宿泊先を予約したりするのも面倒なので車中泊したほうが気楽です。
 車の中にシングルサイズのベッドがあれば安眠できます。

(2)キャンピング車だと高速道路の料金が安い
 以前、1ナンバーのランクル70に乗っていたのですが、3ナンバーの同格の車に比べて高速道路の料金が約2割高いのは大いに不満でした。
 高速道路の車種区分は このURLに詳しく記述されています。

 1ナンバー車をキャンピング車に改造して8ナンバーにするだけで約2割も高速道路の料金が節約できます。私がハイエースの購入を決めたのは、休日特別割引(上限1000円)が実施される前だったので、中型車が割引の対象なのかどうかさえ不明でしたが、8ナンバーにしておけば普通車扱いとなり割引料金が適用されることは明確でした。
 また、上限1000円に代わって休日特別割引が5割になった今でも、「休日特別割引は、軽自動車及び普通車に限り適用されます」という制限があるので、やはり8ナンバーはお得なのです。

(3)車検の度に改造を元に戻すのは面倒
 高速道路料金やベッドが欲しいというだけなら、3ナンバーや4ナンバーを改造してベッドを取り付けるという手があります。でも、その場合には車検の度に元通りに戻す必要があります。キャンピング車に改造して車検を受けておけば、このような手間は一切かかりません。
 また、1ナンバーの場合には毎年車検ですが、キャンピング車の場合には2年車検になるというのもメリットのひとつです。


2.キャンピング車の構造要件

 キャンピング車に改造して車検を受けるのは定められた要件を満たす必要がありますが、それさえ満たせば良いのですから簡単です。
 特殊用途自動車(8ナンバー)構造要件については 国土交通省のホームページ に明示されています。キャンピング車については3ページにわたって詳細に記述されていますが、要約すると次の通りです。
 @就寝設備を備えること(最低大人2人分)
  ・ベッドは一人当たり長さ1.8m、幅0.5m以上必要
  ・ベッドと座席の兼用は不可
 A水道設備を備えること
  ・10リットル以上のタンク
  ・洗面台
  ・タンクから洗面台への給水設備
  ・10リットル以上の排水貯蔵タンク
  ・洗面台使用時の立ち位置では床面から1600mm以上の空間が必要
 B炊事設備を備えること
  ・調理台の広さは0.3×0.2m以上の平面
  ・コンロなどの設備
  ・調理台使用時の立ち位置では床面から1600mm以上の空間が必要
 C水道設備と炊事設備と、これらを利用する場所の床面への投影面積が0.5m2以上のこと
 D物品搭載設備を有していないこと

 これらの要件の中でも「床面から1600mm以上空間が必要」という条件はハイルーフのハイエースだからこそ達成できる項目です。他の車種だと、床を沈めたり天井を突出させるなどの相当に手間と費用のかかる改造が必要です。

 キャンピング車に改造するにあたり、次のような方針を立てました。
 @車種はハイエース・スーパーロング・ワイドボディー・ハイルーフとする
 A乗車定員3名・就寝定員2名とする
 B就寝設備としてシングルサイズベッド(200×100cm)用マットレスを採用する
 Cマットレス設置用基部は木工事により自作する
 D毛布や枕はベッド下部に収容できるようにする
 E水道設備・炊事設備として市販のミニキッチンを採用する
 F炊事設備としてIHヒータを採用する
 G給水用タンクは10リットルのポリ容器を流用する
  洗面台よりも高い位置に固定しポンプは省く
 H排水タンクは20リットルのポリ容器を流用しミニキッチン下部に収容する
 I大型バッテリ2基を搭載し、ベッド下部に収容する
 J1500W程度のインバーターを搭載し、IHヒータに給電する
 Kバッテリは車外の商用電源を用いて充電する
 Lベッド脇の通路部は土足禁止とわかるように2cm程度の床上げを行う

 構造要件の規定とその対策を表にまとめました。

【構造要件と対策】
項目 構造要件の規定 対策
乗車定員 特になし 3名
就寝設備の数 乗車定員の3分の1以上(端数は切り上げることとし、乗車定員3人分以下の自動車にあっては2人以上)の大人用就寝設備を有すること。 2人分
就寝部位の構造 就寝部位は1人につき長さ1.8m以上、かつ幅0.5m以上の連続した平面を有すること。 105cm×200cm
就寝部位の空間 就寝部位の上面から上方に0.5m以上の空間を有すること。 120cm
水道設備 10リットル以上の水を貯蔵できるタンクおよび洗面台(水を溜めることができる設備を言う。)を有し、タンクから洗面台等に水を供給できる構造機能を有していること。 10リットル以上の排水を貯蔵できるタンクを有していること。 10Lの水タンクとシンクおよび洗面器および15Lの排水タンク
洗面台などを利用する空間 洗面台等は、車室内において容易に使用することができる位置(洗面台等に正対して使用でき、かつ洗面台等と利用者の間に他の設備がないことをいう。)にあり、かつ、これを利用するための床面から上方には有効高さ1,600mm以上の空間を有していること。 163cm
炊事設備 コンロ等により炊事を行うことができること。 IHクッキングヒータ
炊事設備の投影面積および利用空間 調理台等調理に使用する場所は0.3m以上×0.2m以上の平面を有すること。 水道設備の洗面台等及び炊事設備の調理台・コンロ等並びにこれらの設備を利用するための場所の床面への投影面積は、0.5u以上あること。 投影面積・・・調理台105cm×50cm + 利用場所105cm×80cm
調理台などを利用する空間 調理台等は、車室内において容易に使用することができる位置(調理台・コンロ等に正対して使用でき、かつ、調理台・コンロ等と利用者の間に他の設備等がないことをいう。)にあり、かつ、これを利用するための床面から上方には有効高さ1,600o以上の空間を有していること。 163cm
物品積載設備 物品積載設備を有していないこと。 物品積載設備なし

 ハイエース・スーパーロング・ワイドボディー・ハイルーフをベースにしたベッドやキッチンおよび棚の配置図などを図面化しました。図面と言っても専用のCADソフトではなく表計算ソフトを(エクセル)を用いて描きました。
こちら からご覧ください。(構想図なので、最終的な仕上がりとは一部異なる部分があります。)


3.製作中の様子

←ベッドのフレーム

↓ベッド・キッチン・棚を車庫で
 仮配置(フロント側から)
↑2x4材を切り出している様子

 ベッド・キッチン・棚を車庫で→
 仮配置(リヤ側から)


4.外観および装備の写真

←シールを貼ったり無線のアンテナ
 を付けている程度なので見た目は
 普通のハイエース
←サイドボード
 青色のゴムバンドと支柱でバック
 パックなどを置いても大丈夫

→ベッドと読書用のゼットライト
→天井を覆う星空のような照明
 クリスマス飾りのネット状のLEDを
 天井に取り付けた

↓テレビ兼PC用ディスプレー
↑インバータと照明のスイッチ

←サイドボード内に設置したPC本体

↓キッチンの扉を再利用して製作した
 引き出し
 その下は電子レンジ
↑シンクと水タンク(給水設備)
 右上写真の水タンクは排水設備

→冷蔵庫とゴミ箱

↓サイドドアから見たキッチン他
↑ベッド内に設置したインバータ
 (1.5kW)とバッテリ(130AHx2, 24V)

←予備の水タンク(20L)と
 サイドボード内に仕込んだ
 サービスコンセント
←運転席
 HFから1.2GHzまでカバーする
 無線機(アマチュア)を装備

→音楽ソースはAUX端子に接続
 したiPod