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(難波流楽・JH4ADK)

 キャンピングカーに130Ah/24Vのサブバッテリーを積んでいるのですが、容量も大きいことからダイナモで充電するのではなくて、AC電源から充電するように設計しました。そのため、使用する前には予め充電する必要があり、鬱陶しく感じていました。
 そこで登場するのがソーラーパネルです。最近100Wクラスのソーラーパネルが以前に比べると安価になっているようですので、買いだと判断しました。
 キャンピングカーには既にサイドオーニングを取付けているので、ルーフキャリアを取付けることもできず、屋根にソーラーパネル用の取付金具を直接ボルトで取付けました。
 100W/18.5Vのソーラーパネルを2枚取付けたことにより、AC電源からの充電は殆ど不要になりました。


電気系統図

 キャンピングカーQue Sera Sera号のサブバッテリー系の電気系統図を示します。
 130Ah12Vのバッテリーを2個直列接続して1.5kWのサイン波インバーターでAC100Vに変換しています。主な負荷はIHコンロと電子レンジですが、これらを両方同時に使用することは出来ません。その他、照明、TV、パソコンなどに電力を供給しています。2012年3月に冷蔵庫(AC100V/75W) を増設したため旅先で少しでも充電できるようにソーラーパネルによってを設置することにしました。

充電時間の推定

 ソーラーパネルは100W/18.5Vというものです。言い換えれば100/18.5 = 5.4[A]の電流を流す能力があります。(太陽電池は定電流源であることに注意)
 日中フルパワーで充電できる時間を5時間とし、この間に平均5Aで充電できるとすると、130Ahのバッテリを満充電にするには、(130/5)/5 = 5.2日間かかることになります。

放電時間の推定

 バッテリーの放電時間は消費電流により変動することが知られています。ペルケルトの法則により放電時間を計算してみました。鉛蓄電池のペルケルト定数kを1.3と悲観的に見込みます。
 130AH(5時間率)のバッテリ(24V)で75Wの冷蔵庫を使用すると何時間使用できるでしょうか?
 インバータの効率を80%、冷蔵庫の効率を75%とすると、DC24V側での電流Iは、
 I = ((75/0.75)/0.8)/24 = 5.2 [A]
 ペルケルトの法則に当てはめて放電時間tを計算します。
 t = H (C/IH)^1.3
  = 5*(130/(5.2*5))^1.3 = 5*(130/26)^1.3 = 5*5^1.3 = 5*8.1
  = 40.6 [hr]
 日数に換算すると、t/24 = 1.7日となります。

 先述の充電時の条件は、偶然に冷蔵庫の消費電力にほぼ等しいので、1日5時間はソーラーパネルの電力で賄えると考えると、1日の内19時間をバッテリからの放電で賄うことになり、この時の放電時間を日数に換算すると、t/19 = 2.13日となります。
 1泊2日程度のキャンプならば冷蔵庫をつけっぱなしにしていても大丈夫そうです。最初の日は氷で冷やすとすれば、2泊3日のキャンプでも大丈夫そうです。

工作

 ソーラーパネルの寸法は1210x540x35mm、重量は9kgです。アルミ角パイプ(30x30mm肉厚3mm長さ1200mm)を2本を屋根に直接ボルトで固定して、その上にソーラーパネルを固定しました。固定時に、雨漏りを予防するために、コーキング剤を塗布します。
 アルミ角パイプは切断加工されたものを購入しました。
 アルミ角パイプを固定する際に、屋根が丸みをおびているので、ゴムを加工してアルミ角パイプのソーラーパネル取り付け面が水平になるようにしました。  アルミ角パイプにソーラーパネルを取り付けるための取付け金具は、アルミLアングル(25x25mm t2mm)を切断・穴明け加工して自作しました。
 取付け金具はアルミ角パイプにタップを立ててM5のステンレスビスで固定しました。取付け金具とソーラーパネルは、ソーラーパネル側にM5のエビナットを取付けて、六角ナットで固定しました。
 取付け金具の穴は予め図面通りに明けておいてから、アルミ角パイプやソーラーパネル側の穴位置は現物合わせで後から明けました。

加工図

アルミ角パイプ加工図(pdf)
取付金具加工図(pdf)
ゴムパッド加工図(pdf)
エンドキャップ加工図(pdf)

角パイプ取付けの順番

@前部穴の位置決め
 角パイプを天井側に当てがって、リブの位置と取り付け穴が干渉しないように角パイプ前部の取付け穴の位置を決める。
A前部の穴明け
 角パイプ前部の取付穴を天井側からドリルで穴を明ける。
B後部穴の位置決め
 前部穴に合わせて角パイプを仮止めして後部穴の位置を屋根側に印をつける。
 仮止めした角パイプは取り外す。
C後部の穴明け
 角パイプ後部の取付穴を屋根側からドリルで穴を明ける。
D角パイプの取付け
 屋根の上に前後の穴位置を合わせて、コーキング材、ゴムシート、角パイプの順に重ねる。
 天井側から、コーキング材、ゴムシート、補強金具の順に重ねて、ボルトを穴に貫通させて角パイプのエビナットに合わせてネジを締める。

ソーラーパネル取付けの順番

@角パイプにL型金具をビスで取付ける(仮止め)
Aソーラーパネルを載せる
Bソーラーパネルの側面にL型金具の穴位置をマークする
Cソーラーパネルを降ろす
Dソーラーパネルに穴を明け、エビナット加工をする
Eソーラーパネルを載せる
F6角ボルトでソーラーパネルを固定する(一部)
 ただし、配線作業のために左側の片側のみを固定する
G配線する
H六角ボルトでソーラーパネルを固定する(残り前部)
Iビスや六角ボルトを増し締めする